エンゲージメントを高めたければ、まず「ユーザーのエンゲージメント」になれ!という話
はじめに|“つながりたいのは誰か?”を見誤っていないか
SNSやメルマガ、コミュニティなど、企業が顧客とのエンゲージメントを高めようとする施策はあふれています。
しかし多くのブランドは、「どうつながるか」ばかりを考えすぎて、「なぜ、つながる価値があるのか」を見落としがちです。
エンゲージメントを高めるには、まずユーザーが「自分から関わりたくなる存在」にならなければなりません。
言い換えれば、「ユーザー自身のエンゲージメントを高める存在」になることが、もっとも本質的な戦略です。
ユーザーが“自分の価値”を高めたくなる対象になる
フォローやリピート、紹介や投稿。
これらはすべて、ユーザーが「自分の行動や存在価値を高めたい」と思う時に自然と起こる行動です。
つまり、エンゲージメントとは単なる「双方向の接点」ではなく、
「自分が関わることで、自分の価値が高まる」とユーザーに感じさせられるかどうかで決まるのです。
たとえば――
- ・「このブランドを推してる自分、おしゃれ」
- ・「このサービスを知ってる自分、情報感度が高い」
- ・「これを紹介することでフォロワーから信頼されそう」
このような“自己投影”と“自己肯定感の補強”がセットになって、はじめてエンゲージメントは「自走」し始めます。
よくある勘違い|「投稿してほしい」では人は動かない
よくあるのが、「ハッシュタグをつけて投稿してください」「フォロー&シェアでプレゼント」といった施策。
もちろん一定の効果はありますが、“自発的に関わりたくなる理由”がなければ、継続的なエンゲージメントは生まれません。
形式的な投稿はノイズになりがちで、ユーザー自身にとっても「誰かに見せたい体験になっていない」のです。
“ユーザーのエンゲージメントになる”ための3つの問い
ユーザーの行動を促し、ファン化を後押しするには、以下の3つの問いに向き合う必要があります。
- ① この商品・サービスは、使うことで「自分がどう見えるか」を意識させられているか?
- ② フォロー・シェア・購入が「ユーザー自身の価値」を高める行為になっているか?
- ③ 関わることで「所属感」や「ストーリーに参加している感覚」が得られるか?
この問いに答えられるブランドは、単なるモノ売りではなく、“自分の人生に関わる価値”を持つ存在として選ばれるようになります。
まとめ|エンゲージメントは「企業努力」ではなく「ユーザー感情」から生まれる
エンゲージメントを高めたいなら、まず自社が「ユーザーのエンゲージメントになれているか?」を自問することが出発点です。
自社の価値を伝えることに必死になる前に、その価値が“誰かの自信や満足”になっているかを考えること。
それが、SNSでも現実でも自発的なつながり=本当のエンゲージメントを生む鍵になります。
「このブランドを応援することで、自分が輝ける」
――そう思ってもらえた時、エンゲージメントは、もう“仕掛け”ではなく“感情”になります。