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LTVから逆算せよ|最適なCPA・CPCの求め方と広告運用の判断基準【具体例/計算式付き】

LTVから逆算せよ|最適なCPA・CPCの求め方と広告運用の判断基準

はじめに|広告費が高いか安いかはLTV次第

「クリック単価が高すぎる」「CPAが合わない」と悩む企業は多いですが、それが本当に高いのか安いのかを判断する基準は“LTV(顧客生涯価値)”にあります。

適正なCPA(顧客獲得単価)やCPC(クリック単価)は、業界平均でも他社事例でもなく、自社のLTVから逆算して設計するのが正解です。

本記事では、LTVとCPA・CPCの関係をわかりやすく解説し、業種別に「どこまで広告費をかけてよいか」の判断基準を示します。

LTV・CPA・CPCの基本的な関係

まず用語を整理しましょう。

  • LTV(顧客生涯価値):1人の顧客が生涯にもたらす売上または利益の合計
  • CPA(顧客獲得単価):1人の新規顧客を獲得するためにかけてよいコスト
  • CPC(クリック単価):広告1クリックあたりのコスト。CPAはCPCとCVRから導かれる

広告運用においては、最終的な利益>CPAでなければ赤字になります。
したがって、LTVをもとに「最大でいくらまで顧客獲得コストをかけられるか」を決める必要があるのです。

汎用的な算出方法|数式と目安

一般的に、CPAの目安はLTVの20〜30%以内とされます(粗利率によって調整)。

例えば、1人のLTVが30,000円の場合、許容CPAは:

  • LTV30,000 × 0.3(30%) = 最大9,000円

このCPAから逆算して、クリック単価(CPC)を設定するには、以下の式を使います:

CPA = CPC ÷ CVR(コンバージョン率)
つまり、CVRが2%なら、CPCの上限は:

  • 9,000円 × 0.02 = 180円以下が目安

このように、CVRが低ければCPCも安くなければ赤字になりますし、CVRを改善すれば高めのCPCでも採算が合うようになります。

業種別で見るLTVとCPA・CPCの設計例

続いて、業種ごとにLTVとCPAの考え方がどう変わるかを見てみましょう。

① ECサイト(単品リピート型)

例:1商品あたりの単価が4,000円。定期購入などで平均3回購入(LTV 12,000円)
→ 許容CPAは 12,000円 × 0.25 = 3,000円
CVRが2%なら、許容CPCは 3,000円 × 0.02 = 60円

※CVRが上がれば、より高単価のキーワードでも入札可能になる

② 月額サブスク(オンライン学習・美容系サービスなど)

例:月額4,000円、平均継続期間6ヶ月(LTV 24,000円)
→ 許容CPAは 24,000円 × 0.3 = 7,200円
CVRが1.5%なら、許容CPCは 7,200円 × 0.015 = 108円

※広告費は高めでも、継続率次第で黒字化可能

③ 高単価BtoB・サービス(例:SEOコンサル、HP制作など)

例:1件契約あたり売上30万円、粗利50%(利益15万円)
→ 許容CPAは利益の30%として 45,000円
CVRが0.5%なら、許容CPCは 45,000円 × 0.005 = 225円

※単価が高いためCVRは低くてもOK。リードの質重視

LTVは粗利ベースで算出するべき理由

※なお、LTVは「売上ベース」で見るとわかりやすいですが、実際の広告許容ラインを設定する際は、原価や人件費などを差し引いた“粗利ベース”で考える方がより実務的です。

特にEC事業では、商品原価・配送料・梱包などのコストが、
コンサルや人力サービスでは、人的稼働やサポート工数といった“見えにくい原価”が利益を圧迫する要因になります。

広告に使える金額は「粗利の中から捻出するもの」。その視点で、LTVの定義を売上ではなく「顧客1人あたりの平均粗利」に置き換えて考えると、より精度の高いCPA設計ができます。

まとめ|LTVを起点に広告費を設計せよ

「CPCが高い」「CPAが悪い」といった数字の議論は、LTVという基準がなければ意味を持ちません。
成果が出ているかどうかは、「その顧客が将来的にどれだけの価値をもたらすか」によって初めて判断できます。

LTV → CPA → CPC という順で逆算すれば、広告費をかける判断、かけすぎを避ける判断、CVR改善の必要性などがすべて論理的に見えるようになります。

広告運用においては、「なんとなく安いCPC」よりも、「利益が出るCPC」を見極めることが重要です。
ぜひ一度、自社のLTVをもとに許容CPA・CPCを再計算してみてください

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