ドメインを分ける？まとめる？複数事業・サービスのサイト設計をWordPressで実現する考え方

はじめに｜1サイトにまとめるべきか？分けるべきか？

事業が増えてきたとき、誰もが一度は悩むのが「それぞれ独立したサイトにするか？ひとつのドメインにまとめるか？」という問題です。
特にWordPressを使ってサイト運営している場合、構築・運用の柔軟さがある一方で、戦略を誤るとSEOやブランディングに悪影響を及ぼす可能性もあります。

本記事では、「分ける or まとめる」の判断軸を明確にしながら、WordPressでの実現パターンや設計のヒントを紹介します。

まず押さえておきたい3つの判断基準

① SEO戦略として有利なのはどっち？

ドメインを分けると、それぞれ独立したSEO評価が必要になり、初期のドメインパワー構築や記事蓄積に時間と施策がかかるのは事実です。
しかし、長期的に見ると、テーマを絞った特化サイトとして評価されやすく、「関連グループサイト」としての相乗効果（サイト群全体の権威性強化）が期待できます。

一方で、複数サービスを1つのドメインにまとめた場合は、ドメイン全体の評価が集中しやすく、初期のSEO施策効率は高まります。
ただし、扱うジャンルやキーワードに統一性がないと、サイトのテーマ性・専門性が薄れ、検索エンジンからの評価が分散するリスクもあるため注意が必要です。

② ブランディングやターゲットが明確に異なるか？

顧客層・商品ジャンル・提供価値が大きく異なる場合は、サイトを分けた方がブランドごとの訴求が明確になります。
逆に「系列商品」「同じ世界観」「親和性が高い」場合は統合で問題ありません。

③ 運用リソースと更新効率

サイトが増えるほど更新負荷・セキュリティ対応・ドメイン維持コストがかかります。
少人数運用なら一元管理できる構成（統合型）が現実的です。

【比較】ドメインを分ける vs まとめる｜メリット・デメリット

設計パターン	メリット	デメリット
ドメインを分ける	・ブランドごとの世界観を守れる・SEOテーマを絞りやすい・競合との差別化が明確	・SEO評価の積み上げに時間がかかる・管理コストが高い・更新の手間が倍増
ドメインをまとめる	・運用負荷が軽く、一元管理しやすい・ドメイン評価が集中する・更新作業・リンク設計が効率的	・コンテンツの一貫性がないとSEOに不利・異なるサービス間の“迷い”が出やすい・ブランディングがぼやけるリスク

WordPressで複数事業を展開する3つの実現パターン

① カスタム投稿タイプで切り分ける（同一ドメイン内）

同じドメイン内で複数の事業カテゴリを展開したい場合、カスタム投稿タイプの活用が有効です。
「制作実績」「製品紹介」「コラム」など用途ごとに分けつつ、URL構造・管理画面・テンプレートを個別に設計できます。

② サブディレクトリ構成で展開（/media/・/consulting/ など）

同一ドメイン配下であっても、サブディレクトリで分けることでテーマ性を維持できます。
たとえば「https://example.com/media/」と「https://example.com/tool/」のように分け、コンテンツごとにトップページやLPを設けることも可能です。

③ WordPressマルチサイト機能を使う（実質的な独立運用）

全く異なる事業や運用担当が分かれるケースでは、WordPressのマルチサイト機能を用いてドメイン内またはサブドメインで切り分ける方法もあります。
「example.com」と「service.example.com」のように、管理画面も分離できるため、運用が本格的な場合におすすめです。