モバイルフレンドリーはSEOに影響が無い?検索順位が変わらない!とお怒りの方へ
Googleが発表したモバイル・フレンドリーという検索エンジンのアルゴリズムは、簡単に言うと、スマートフォンでの閲覧時に見やすいサイトになっていないと、モバイルユーザーに優しくない作りのサイトとして、スマホ検索での順位を下げます(評価を落とします)よ。というもの。「この対応をしないと、評価が下がる」といったハッキリとしたGoogleの発表は珍しく、WEB業界には大きなインパクトがありました。
発表を知って慌てて対応した、制作会社から激しい営業があって緊急の対策を取ったというサイト運営者の方も少なく無いと思います。
でも、実際はどうでしょうか?2015年6月ネット上ではほとんど影響が無いという声がほとんどです。当記事ではこの状況の理由、今後の流れについて考えてみたいと思います。
目次
英語圏の調査データでは影響があったという回答は僅か11%
海外の調査結果で、モバイル・フレンドリーの仕様導入後、実際にスマホサイトの順位に変動があったと回答したのは僅か11%だったそうです。サイトの順位は日々変化するものなので、モバイル・フレンドリーに関係ない順位変動をモバイル・フレンドリーの影響と考えたケースも想定すると実際には10%以下のサイトにしか影響が無かったのかもしれません。
日本でも、モバイル・フレンドリーの影響がハッキリあった事を示すデータはほとんど上がっておらず。「あれっ、何も変わらないけど。。。」という声が大半です。
そもそも、順位に影響があると言われているのはスマホ検索のみ
まず、そもそもの話ですが、今回のアップデートは全ての検索エンジンを対象としたものではなく、「スマホ検索時の順位」が対象であるという事は理解しておく必要があります。
上記の画像のように、モバイル・フレンドリーの認証がされているサイトは、「スマホ対応」と検索結果に表示されます。ただ、スマホ対応していないサイトが変わらず上位にいるという状況は多くの検索結果で見られる現象です。
自社より1つ順位が上のサイトがスマホ対応していない場合、せめてそこぐらいは抜いて欲しいというのは、よく分かる心境ですよね。
競合サイトとの兼ね合いの中の一つの指標でしかない
検索順位の決定は複雑なアルゴリズムによって決定されています。今回のモバイル・フレンドリーもあくまで数ある評価基準の一つでしか無いという事は理解しておく必要があります。
仮に何らかのキーワード検索結果で貴社のサイトが2位だとして、スマホ対応を行ったのに、スマホ未対応の1位のサイトを上回る事ができなかったとしても何ら不思議な事はありません。
これも過程ですが、1位のサイトのSEO総合スコアが100、2位の貴社サイトが80だった場合、モバイル・フレンドリーへの対応がその20ポイントの差を埋める程のもので無い限り、逆転は起こりません。
評価ポイントの重要度が予想よりも低かったという事
上記の例の通り、ほとんどのサイトで順位に変動が無かった。多くのサイト運営者が拍子抜けをくらっているということは、モバイル・フレンドリーに割り当てられているSEO評価の重要度が市場の予想よりも低かったという事に他なりません。
このまま、今後も大した変動も無いということであれば、思わせぶりなGoogleにまんまと踊らされたという結果になりますね。
Googleお得意の猶予期間という可能性も
実際にはモバイル・フレンドリーが発表されてまだ間もない事もあり、今後のアップデートでさらに変動が起こる可能性もあります。新規ドメインのサイトが3ヶ月程度評価がつきにくい様子見期間があるのと同様、3ヶ月〜半年程度の猶予期間が設定され、徐々に変動が大きくなっていくという可能性も捨て切れません。
スマホに最適化されたサイトが増える事は、何よりGoogleが望んでいる事なので、このまま終わるという事は無い気がします。
ユーザー視点のサイトが評価されるのは間違い無い
モバイル・フレンドリーの仕様に限らず、アクセシビリティ、ユーザービリティの追求によりユーザー視点のサイトを構築することは確実に検索エンジンの評価アップに繋がります。
今回は市場がかなり騒いだので仕方ないと思いますが、一つ一つの指標に惑わされるのではなく、全体としてユーザー・フレンドリーなWEBサイトを目指していけば何も間違う事は無いと思います。