格安・安い等のキーワードが軸!?「低料金」を売りにしたSEO対策の危うさとは?
結論:価格で呼び込んだお客様は、価格で離れていく
「格安」「安い」「低料金」などの言葉は、確かに検索ボリュームも多く、ニーズがあるキーワードです。しかし、ビジネス全体の戦略として“安さ”を軸に据えることには大きなリスクが潜んでいます。
ユーザーは価格に敏感だからこそ、すぐに安さで引き寄せられます。ですが、その反面、もっと安いところがあればすぐにそちらに流れてしまうという不安定さも持ち合わせています。つまり、価格で呼び込んだお客様は、価格で離れるのです。
薄利多売はビジネスを苦しくする
SEOでも「格安 リフォーム」「安い ホワイトニング」「低料金 写真スタジオ」などのキーワードで検索する人は多く、上位表示できればアクセスを集められます。ただし、その先に待っているのは、価格を最優先に考える顧客層です。
この層は「できるだけ安く」「短期間で」「自分の希望通りに」など、高い要求をしながらもコストには非常にシビアです。そのため、対応に時間がかかる・収益性が低い・満足度も得にくいといったジレンマに悩まされがちです。
薄利多売のビジネスモデルがうまく回るのは、大量の注文を効率的にさばける仕組みが整っている場合に限られます。人手で対応するタイプの事業や、クリエイティブ・専門性が求められる業種では、価格を下げることでサービス品質が著しく低下するリスクがあります。
実体験:起業初期の「焦り」が引き寄せた、質の悪い顧客と苦しい日々
実は僕自身も、起業したばかりの頃、「格安 ホームページ制作」といったキーワードでサービスを打ち出していた時期がありました。少しでも仕事を増やし、実績を作りたかったのです。最初は一定の反響もあり、案件も受注できました。
しかし、現実は想像以上に厳しいものでした。とにかく価格しか見ていないお客様が多く、提案に対する価値を理解してもらえない、修正や要望は多い、追加提案をしても断られる、紹介も生まれないという悪循環に陥りました。
結果として、時間をかけても利益が出ない仕事が増え、疲弊してしまいました。今思えば、「格安でやります」と自分で自分の価値を下げ、質の悪い顧客ばかりを引き寄せていたのです。焦りに飲み込まれて、間違ったポジショニングを取っていたことを反省しています。
「安いから不安」という逆効果の印象
さて、話は戻りますが、「格安 リフォーム」「安い ホワイトニング」などのキーワードで検索するユーザーの中には、「怪しくないか?」「ちゃんと対応してくれるのか?」という不安を感じている人も多く存在します。
価格が安すぎる=品質が悪いのではないか?という先入観を持たれやすく、信頼性が問われる業種においては、それが問い合わせ数や成約率の低下につながることもあります。
価格を理由に問い合わせがあっても、「結局やめました」「他社にしました」というケースが多発すると、効率的な集客どころか、無駄な対応コストばかりが増えるという事態にもなりかねません。
価格競争から抜け出せないビジネスの末路
「安さ」だけを武器にしてしまうと、いずれより安い競合が現れ、価格競争の泥沼に引きずり込まれます。しかも、そうした顧客層は「価格」以外の部分にはあまり価値を感じてくれません。
アップセルや継続的な契約、リピーターの獲得が難しくなるのがこのモデルの最大の欠点です。仮に初回が上手くいっても、次のステージへと関係性を広げていくことが困難になります。
しかも、「安くしてくれるならやってあげてもいい」というスタンスのお客様が集まりやすく、施策の効果よりも、コストへのこだわりばかりが強調されるようになります。
継続性が不安な“激安サービス”のもう一つのリスク
もう一つ大事な視点は「提供側の継続性」です。あまりに価格が安いサービスというのは、運営者自身が利益を出せず、一定期間で消えてしまう可能性もあります。
つまり、「低価格だからといって選んだけど、半年後には連絡がつかなくなった」「契約中に閉業してしまった」というような事例も実際に多くあります。
ビジネスとして成立していない、または人員を極限まで削って回しているサービスは、一定の水準を超える対応を継続するのが難しいため、ユーザー側にとっても不安要素が残るのです。
まとめ:「安さ」ではなく「価値」で選ばれるブランドへ
安さを武器にして勝負をするのは、戦略として“あり”な場合もあります。しかし、その土俵で長く戦い続けることは、ビジネスとして大きな消耗戦になる可能性が高いです。
今後求められるのは、「この価格で、ここまでやってくれるのか!」という納得感・信頼感・価値の提示です。価格で比較されるのではなく、「ここじゃないと頼めない」と言われるようなブランド力を育てていくことが、長期的な成功につながります。
SEOに限らず、すべての集客戦略は「誰に、どんな価値を、どう伝えるか」に尽きます。「安さ」で短期的な注目を集めるのではなく、「価値」で選ばれる未来を目指しましょう。