【必読】整体サイトで「治療」はNG?やってはいけない広告表現とSEOリスク|景品表示法にも注意
はじめに:SEOより先に“広告表現”がチェックされる時代
整体・整骨院のホームページやLP(ランディングページ)では、「ビフォーアフター」や「治療」「改善した」といった表現が使われがちです。
しかし、これらの表現は医療広告ガイドライン・景品表示法の観点から規制対象となる可能性があります。
Googleもまた、法令に反する表現や過度な効果訴求のあるページに対して、検索順位の低下やインデックス除外といった措置を取ることがあります。
本記事では、整体サイトで避けるべき広告表現や、SEOの観点からもリスクが高い言葉、さらに信頼される情報発信のコツまで解説します。
なぜ「治療」という言葉がNGなのか?
日本において「治療」という表現は、医師・歯科医師などの医療従事者のみが使える表現とされています。
整体・整骨・カイロプラクティックなどの施術業は医業ではないため、「治療効果がある」と明言することは医療類似行為とされ、法的リスクがあります。
具体的には、以下のような表現は広告・SEOの両面で問題となる可能性があります。
- 「腰痛が治ります」
- 「頭痛を改善できます」
- 「この施術で肩こりが完治しました」
これらは医療行為のような誤認を与える表現として、景品表示法や医療広告ガイドライン違反となり、
検索エンジンからの信頼も低下するリスクを含んでいます。
Googleも“過剰な表現”を警戒している
GoogleはYMYL(Your Money or Your Life)領域、特に健康・医療に関わる情報に対して、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の評価基準を厳格に適用しています。
「医学的な根拠がない」「実証データがない」ままの効果訴求は、ページ全体の信頼スコアを下げる原因になり得ます。
特に整体ジャンルでは、「症状名」「治る」「効果あり」「完治」などの表現を避けるべきであり、体験談風の表現も誇張しすぎないことが求められます。
ビフォーアフター表現も要注意!写真だけではNGになる理由
整体サイトでは、施術前後の写真を掲載する「ビフォーアフター」が多く見られますが、これも無条件でOKではありません。
景品表示法では、優良誤認表示(著しく優れているように見せかけること)を防ぐために、効果の保証が読み取れる写真・文言には注意が必要です。
また、Google検索でも「虚偽性のある効果訴求」と判断されれば、インデックス除外・順位低下のリスクがあります。
▼ NG例(景品表示法やSEO評価的に危険)
- 写真のみで説明がないビフォーアフター
- 「たった1回でここまで変化!」と断定的に表現
- 明らかに加工や照明で違いを強調している写真
◎ 安全に使うためのポイント
- 期間・頻度・内容を明記する(例:2ヶ月間、週1回の施術+ストレッチ)
- 個人差の注意書きを添える(例:「効果には個人差があります」)
- 体験談として紹介し、あくまで一例であることを強調
やってはいけない表現と言い換え例
NG表現 | OKな言い換え例 |
---|---|
肩こりが治る | 肩こりがラクになったという声をいただいています |
治療できます | ○○な施術を行っています(医療行為ではありません) |
たった1回で改善! | 1回の施術後、変化を感じる方もいらっしゃいます |
言い換えは主観の共有・第三者の声・変化の事実を軸に構成すると、安全性と説得力のバランスが取れます。
【注意】お客様の声だからといって「治った」「治療」「痛みが消えた」を自由に書いていいわけではない
実際の利用者から寄せられる体験談には、驚くような改善報告が含まれることがあります。
たとえば、
「長年、整形外科や接骨院に通っても変わらなかった膝の痛みが、●●先生の治療で嘘のように軽くなり、3回の通院で普通に歩けるようになりました」
このような声が事実であり、本人の感想であっても、そのままWebサイトに掲載すると法的・SEO的に問題となる可能性があります。
なぜなら、以下のようなリスクがあるからです。
- 「治療」「治った」「歩けるようになった」など医療的な表現は医業でない整体業には使えない
- 誇大表現や誤認を与える表現と判断されれば、景品表示法や医療広告ガイドライン違反になる
- Googleからも「信頼性に欠けるページ」として検索順位が下がる可能性がある
たとえ体験談であっても、掲載する場合は以下のような対応が必要です。
- 「個人の感想です」「効果には個人差があります」などの注意書きを必ず添える
- 施術内容・期間・頻度などの事実情報と分けて記載する
- “○○のように感じた”など主観的表現に言い換える
「事実であればOK」という誤解があるまま掲載してしまうと、リスクを抱えるサイトになりかねません。
お客様の声も、“表現の責任”を持って慎重に扱うことが大切です。
体験談掲載時の安全な構成テンプレート
整体・整骨院など医療類似サービスで「お客様の声」を紹介する際に、SEOと法規制の両面で安全性を保てる構成例です。
<section class="voice-box">
<h2>お客様の声(40代・女性/膝の痛み)</h2>
<p class="voice-summary">
長年悩まされていた膝の痛みが、施術を重ねるうちに軽くなり、
今では階段の上り下りも楽になりました。日常が変わるってすごいことです。
</p>
<h3>●通われた期間・頻度</h3>
<p>
約2ヶ月間、週1回のペースで施術を受けました。
</p>
<h3>●施術内容</h3>
<p>
筋膜リリースと骨盤調整を中心に行っていただきました。
姿勢のアドバイスや家でできるストレッチも教えてもらえたのが良かったです。
</p>
<h3>●ご本人の変化(主観)</h3>
<p>
初回のあとから少しずつ足が軽くなった感じがあり、
3回目の頃には日常生活がとても楽になったと感じました。
</p>
<p class="voice-note">
※これは個人の感想であり、すべての方に同様の効果を保証するものではありません。
</p>
</section>
まとめ:正しい広告表現とSEO対策は両立できる
整体サイトでは、「治療」「完治」「即効」などの表現は控え、あくまで“施術の紹介”と“お客様の声”という枠組みでの発信が基本です。
景品表示法や医療広告ガイドラインを意識した表現を心がけることは、検索エンジンの信頼性評価(E-E-A-T)にも直結します。
法的リスクとSEOリスクの両方を避けるには、「何を伝えるか」だけでなく、「どう伝えるか」にこそ、こだわるべきです。