うさぎとカメに学ぶSEO運用|上位表示の後に落ちる企業と伸びる企業の違い
はじめに:検索1位は“ゴール”ではない
SEOで検索1位を取る。
それは確かに大きな成果ですが、本当の勝負は「取った後」に始まります。
実際、検索上位を獲得したあとにアクセスや売上が下降し、「なぜ?」と悩む企業も少なくありません。
そんな時に思い出したいのが、童話「うさぎとカメ」。
先にスタートを切った“うさぎ”は油断し、後から着実に進んだ“カメ”に抜かれる──。
SEO運用にも、まさに同じ現象が起きているのです。
1. WEB活用意識の低い業界ほど“うさぎ化”しやすい
地域密着型の店舗業や、業界全体でWeb施策が進んでいない分野では、「たまたま上位表示された」だけの状態で先行者利益を取れてしまうケースが多々あります。
競合が少なく、SEOに強い対策をしなくても、5〜10ページ程度の簡素なサイトで自然と検索上位を取れていたという例は珍しくありません。
しかしこの状態は非常に危険です。
同じ業界内で「Webから集客できる」と気づいた企業が出始めると、一気に模倣・競争が加速します。
そして、そのときに「あぐらをかいていた先行者」は、一瞬で抜かれてしまうのです。
実際にご相談のあったある地方の石材店でも、こうした現象が起こりました。
近隣エリアではホームページを持っている企業自体が少なく、小規模なサイトを作っただけで「墓石+地域名」でSEO1位を獲得できていました。
ところが1年後、競合が次々とサイトを立ち上げ、情報量・写真・事例・FAQなどをしっかり作り込んだ結果、次々と検索順位で抜かれていったのです。
「以前はずっと1位だった」「地域では知名度がある」といった過去の成功体験が“うさぎ化”の引き金となり、Web強化への対応が後手に回ってしまった典型例でした。
SEOにおいては、「先に取れたから安泰」ということはありません。
油断した瞬間、“本気で取り組むカメ型の後発企業”に追い抜かれるのがこの世界のリアルです。
2. 上位を取った後に“止まる”企業はうさぎ型
上位表示されたことで満足し、更新を止めたり、改善をサボったりする企業は意外と多く存在します。
たとえば:
- 上位表示されたキーワードに慢心して、新規記事を出さない
- 競合のコンテンツアップデートに気づかず放置
- ユーザーニーズの変化や検索傾向を追わなくなる
これらはすべて、「すでに勝っているから」と油断してペースを落とした“うさぎ”の行動に重なります。
3. 着実に“強化し続ける”企業がカメ型で勝ち残る
一方、すぐには上位が取れなくても、ユーザーニーズに沿った情報更新・改善・分析を地道に続けている企業は、少しずつ確実に評価を上げていきます。
Googleは「継続性」や「情報の鮮度」も評価に含めており、長期的なSEOでカメ型の方が勝つケースは珍しくありません。
「今見ている上位企業が、半年後もそこにいるとは限らない」──それがSEOの世界です。
3. 「やっている感」だけでは評価されない
上位表示が落ちてきた際に、とりあえずブログを月1本書いたり、お知らせを更新したりする企業もあります。
しかし、Googleは見ています。中身のない記事や、定期更新のためだけの投稿では、順位回復にはほとんど効果がありません。
SEOにおいて重要なのは、「更新しているか」よりも「ユーザーの検索意図にどれだけ応えているか」です。
表面的なアクションではなく、検索者の不安・疑問・行動に寄り添う情報発信が必要なのです。
4. カメ型企業は「データと行動」でコツコツ進み、差を広げていく
カメ型の企業は、アクセス解析やSearch Consoleを定期的に見ながら、実際のユーザーの動きや検索キーワードに基づいて改善を重ねていきます。
たとえば:
- よく読まれているページをさらに充実させる
- 検索順位が落ちてきたページに最新情報を加える
- キーワードの検索意図が変化していたら構成を変える
このように、「運用=改善と強化」だと理解して、継続的に行動できる企業が最終的に勝ち残ります。
まとめ:「取った後にどうするか」が勝敗を分ける
SEOは1位を取ったら終わりではありません。
むしろ、上位表示されたあとにどんな運用をするかで、今後の成果は大きく変わっていきます。
「うさぎとカメ」に例えるなら、最初に勝って止まるうさぎになるのか、少しずつでも進み続けるカメになるのか。その違いが、半年後・1年後に明確な差として表れます。
過去の成功体験にとらわれず、地に足をつけたSEO運用を継続していきましょう。