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DeNAがAIにオールイン|“活用できる会社・できない会社”を分けるのは組織の柔軟性だった

DeNAがAIにオールイン|“活用できる会社・できない会社”を分けるのは組織の柔軟性だった

DeNAが“AIにオールイン”を宣言。その背景と現場のリアル

2024年、DeNAが「AIにオールインする」と発表したことで、業界では大きな注目を集めました。
その言葉通り、DeNA社内では業務のあらゆるシーンにAIツールが積極的に導入され、実務レベルでの成果が次々と生まれています。

例えば、従来なら2人が1ヶ月かけて構築する予定だったアプリケーションの開発も、AIの活用により2週間で完了
業務効率は3〜4倍に向上し、開発の質も高いレベルで維持されています。

“AIを使いこなす現場”に共通する3つの特徴

DeNAの現場レポートから見える、AIを本当に活用できているチームには以下のような共通点があります。

  • 1. トップダウンではなく、現場に裁量がある
    AIツールの導入や試行に対して、いちいち稟議を通す必要がない。
    個人や少人数チームが「使ってみよう」と判断し、すぐに試せる環境が整っている。
  • 2. 無駄を“無駄と切り捨てない”カルチャー
    試行錯誤やプロンプトの試作も、学びや蓄積のあるプロセスと捉えている。
    成果だけでなく“試した記録”自体を社内ナレッジとして蓄積している。
  • 3. 情報を社内にフィードバックして活かす
    特定の部門や個人が使って終わりではなく、社内NotionやObsidianなどに活用例を記録・共有。
    これにより、ナレッジが再活用され、全社的なAIスキルが高まる仕組みが出来上がっている。

実際に使われているAIツールとその使い方

DeNAでは部署ごとに最適なAIツールを柔軟に選定して活用しています。以下は一部の例です:

  • ChatGPT:リサーチ、構成案作成、資料生成
  • Felo:クイックリサーチや概要の自動取得
  • Grok:探索型の深掘りリサーチ(Xの無料提供)
  • NotebookLM:情報整理・文献ベースの出力
  • Cursor:AIコーディング・ドキュメント作成支援
  • Obsidian:ナレッジ管理・ローカルメモ集約
  • Midjourney:画像ラフ生成・デザイン構想
  • Claude:分析・グラフ生成・リサーチ補助
  • Cline/ブランチ:コード管理やチーム作業の自動化支援

特定のツールだけに依存せず、目的に応じて複数のAIを使い分ける柔軟さが、DeNAの“本気の活用”を支えています。

「AI活用に強い会社」と「活用しきれない会社」の違い

DeNAのようにAIを業務に深く取り入れて成果を出す企業と、単なる話題性や流行で終わる企業の違いはどこにあるのでしょうか?

それは、「AIを使えるか」ではなく「AIを活かせる組織文化があるか」という点にあります。

  • ツール導入よりも前に、現場が柔軟に試せる環境があるか
  • 試行錯誤を許容し、ナレッジとして回収・共有する仕組みがあるか
  • 「検証→改善→再検証」という小さなPDCAを高速回転できる人材と文化があるか

結局のところ、AIの導入成功はツール選定よりも「人と仕組み」の問題なのです。

現時点ではWebベースの事業が有利。だが将来的には…?

DeNAのように、WebやIT領域でのサービスを展開する企業は、AI活用において大きなアドバンテージを持っています。
なぜなら、入力データも出力形式も「デジタル」で完結するからです。

一方、建築、製造、小売などの業界では、物理的な現場との連動や、アナログなプロセスが絡むため、AI活用には一段階多い工夫と変革が求められます。

しかし、将来的には、AIとのインターフェースが進化し、ハードウェアやIoTとの連携によって、リアル業界でも本格的なAI活用が進むことは間違いありません。

紙ベースの資料を簡単に読み込んでデジタル化し、グラフ情報も含めて、データベースに入れたり、分析を基に、競合他社比較も含めた課題の洗い出しや改善提案まで行ってくれる。
そんな時代はもうすぐそこまで来ています。

そのレベルに進化してやっと活用を始める企業、それでも導入しない企業もあると思いますが、差がドンドン開いていくどころか、柔軟性が最も高い個人・小規模な組織に逆転されるリスクさえあります。

まとめ|AIを活かせるかどうかは、組織の柔軟性と「任せる力」

DeNAの事例から学べる最も大きなポイントは、「ツールは後からついてくる。重要なのは人と文化」ということ。

  • 自分たちで試し、失敗して、改善していける余白を組織が持っているか?
  • 現場に裁量を渡し、結果ではなく「挑戦そのもの」に価値を置けるか?
  • 新卒・若手でもどんどん試して良いという“空気”があるか?

「AIを導入したらすべて変わる」は幻想。
本当に変えなければならないのは、社内の仕組みと人材のマインドです。

DeNAのように、AIを自然に組み込める“柔らかさ”を持った組織こそが、変化の時代を乗りこなせるのではないでしょうか。

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